すべてを話し終えて蘭は大きく息を吐き出した。


今までずっと黙ってきたことを話すと、少しだけ胸の中がスッキリする。


けれど同時に罪悪感が生まれていた。


自分がしてきたことは完全にストーカー行為。


それこそ犯罪だ。


それを被害者である彰に伝えるのはかなりの勇気が言った。


蘭の背中には汗が滲んでいて、少しだけ呼吸も乱れている。


「嘘だ」


ここまですべてぶちまけたのに、彰はゆっくりとそう言った。


蘭は呆れ顔を彰へ向ける。


「全部、本当のことだよ」


嘘なんてひとつもついていなかった。


彰の話だと、彰も蘭への憧れを持っていたようだから、その頃の思い込みがまだ残っているのだろう。


蘭は誰かをストーカーするような少女ではないと、思っていないのだ。