もしかしてアルバイトをふたつともやめてしまったんだろうか?


だけど、仮に貧乏学生だとしてそんなに簡単にバイトをやめることができるだろうか?


様々な考えが頭の中をよぎり、不安で押しつぶされそうになった。


そしてあの日。


蘭は彰のバイト先を行ったりきたりしていたのだ。


居酒屋は開店前だとわかっていたが、行かずにはいられなかった。


数日間彰の顔を見ていないだけで、動機がしてきそうだった。


そして、なにも知らない彰は蘭を誘拐した……。