「大丈夫?」


窓が小さな4畳半の部屋に移動して、蘭は荷物を下ろした。


「あぁ。平気だ」


彰は大きく息を吐き出して畳の上に座り込んだ。


額には大きな汗の玉が浮かんできている。


蘭はバッグからハンカチを取り出してそれをぬぐった。


誰も出入りしてない空き家はホコリっぽくて、蘭は少しだけ窓を開けた。


せっかく彰の家をキレイにしたのに、またこんなところにいたら体調が悪化してしまうかもしれない。


「なぁ、どうして俺をかばうんだ?」


呼吸が落ち着いて切手から彰は蘭に聞いた。


「え?」


「ずっと気になってたんだ」


それでも今までその質問をしてこなかったのは、あまり聞いてはいけないことだと思ったからだった。


「かばうっていうか……あたしはずっと彰さんのことが好きだったから」


蘭の言葉に彰は目を見開いた。