彰の熱は下がったけれど、体力は随分と消耗してしまったようで部屋の片付けや買い物に行く回数は減っていた。


それでも家の中ではいつも通りの生活が遅れているので、蘭はそれで満足だった。


この家にやってきて、2週間が経過していた。


「なんか、あっという間の2週間だったね」


蘭と彰は食卓で向かい合って座っていた。


今日のお昼は彰が作ったワカメもスープに、蘭が作ったハンバーグが並んでいる。


「もうそんなに経ったのか」


彰は壁にかけてあるカレンダーを見て呟く。


蘭をここへ連れてきてからほとんど日付の感覚が失われていた。


スマホは確認していないし、テレビもつけていない。


そんなものが必要だったことすら忘れてしまいそうになる生活を送っている。
この家に2人でいる。


それだけが、世界のすべてだった。