☆☆☆

沢山の薬。


苦しんでいる彰。


それらを見ても今の自分にはなにもできない。


その事実が苦しくて、蘭は自分の布団にもぐりこんで身を丸めた。


まるで母親に虐待されていたあの頃のように、体を小さくして自分を守っているようにも見える。


しかしその体は小刻みに震えて、そして嗚咽する声が漏れて聞こえてきている。


彰が買ってくれたパジャマを着て、その端をギュッと抱きしめて、蘭はその夜眠りにつくことができなかったのだった。