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「その場で食べると思った?」


家に戻ってきた彰は含み笑いで蘭に聞いた。


いつものキッチンのテーブルの上には買ってきたハンバーガーの袋が置かれている。


蘭は少し不機嫌そうに頬を膨らませた。


てっきりフードコートで食事をするものだと思って焦っていた蘭だが、彰は元々持ち帰って食べるつもりにしていたみたいだ。


だから選んだのも、持ち帰りやすいハンバーガーだった。


「悪かったって。ほら、俺の分のポテトも食べていいから」


彰は含み笑いをしながら蘭にポテトを手渡す。


蘭はそれを受け取り、三本同時に口に含んだ。


まるでハムスターのようにポテトをほお張る蘭に彰はまた声を上げて笑ったのだった。