蘭からの話を聞いた後、彰はその体を抱きしめた。


「今は? 今は幸せか?」


余命宣告を受けているのは自分だというのに、蘭のことが心配でたまらなかった。


今でもまだ痛む場所がないか、さぐるようにその背中をなでる。


蘭は彰の手の動きに合わせて熱い息を吐き出した。


「幸せ。こうして彰さんと一緒にいられるから、幸せ」


蘭は答えて彰の背中に手を回す。


そして、互いに欠けた者同士慰めあうようにして体を重ねたのだった。