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蘭はごく普通の幼少期を過ごしていた。


父親と母親と自分の3人暮らし。


蘭は活発で男の子の友達をよく遊ぶ子供だった。


それは小学校3年生になっても変わらず、学校ではもっぱら男の子たちと一緒にサッカーやドッヂボールなど体を動かす遊びを楽しんでいた。


「もう蘭ちゃんとは遊ばない。だって、あたしたちといてもつまらなさそうだもん」


「そうだよね。男の子とばっかり遊んでるし」


「あたしたちなんて友達じゃないんでしょう?」


それは誰とでも仲良くなれる蘭へのひがみだったかもしれない。


クラスで中のよかった3人の女の子たちから絶交を申しだされ、蘭はその場に立ち尽くしてしまった。


いくら男子たちと仲がよくても、そろそろ肉体的にも精神的にも男女の区別ができてくる。


そんな時に一緒にいてほしいのは、やっぱり同姓の友人たちだった。


だけどそんな風に思ってももう遅い。


蘭は今まで彼女たちを二の次に考えてきて、それが原因で仲たがいしてしまったのだから。