再び2人並んでゴミ回収場所へ向かう。


しかし、今度は蘭との距離が更に近くなった気がする。


と言っても間には大きなゴミ袋が2つがあるから、近づくのも限度があるけれど。


「もしも結婚して、子供ができたらどうしますか?」


「どうするって、そりゃ家族が増えるだろ」


「あたしと、彰さんとの家族が!?」


「当たり前だろ?」


蘭はその会話だけで有頂天になり、なにを妄想しているのか頬は緩みっぱなしだ。


あやうく小石につまづいてこけてしまうところだった。


どうにかゴミ出しを終わらせて戻ろうとしたところ、同じようにゴミ袋を持ってきた主婦とすれ違った。


このゴミ回収場所を使うということは近所の人なんだろう。


視線がぶつかった瞬間彰は背筋に冷たい汗が流れていくのを感じた。


マスクをしていると言っても、顔がバレてしまうかもしれない。


普通に考えれば蘭はすでに行方不明者で捜索が開始されているだろう。


目があった瞬間咄嗟にそらしてしまった。