結局、みんなにとって彰とはそういう存在だったのだ。


いなかったら困る。


だけどそれは彰を必要としているというわけじゃない。


きっと、彰の変わりは沢山いる。


思えば自分の人生はパッとしない人生だった。


彼女だってできたことがない。


楽しいことだってほとんど知らない。


そんなとき、偶然テレビニュースが流れてきた。


それは自殺志願者による無差別傷害事件だった。


しかも死人まで出ている。


それなのに本人は生き残ったらしい。


彰はそのニュースを見てぼんやりと考えた。


俺だったら、ちゃんと死ぬのに。