とはいうものの、傷を抉るように次から次へと容赦なく罵り続ける彼ら。人の悪口で盛り上がるなんて、悪趣味もいいところだ。
僕は幼少期、かなりの虚弱体質だった。先天的な心臓の病の他、呼吸器系も弱く、喘息を繰り返していた。そして中学生の頃、変声期の過程で風邪をこじらせて喘息を引き起こし、喉をひどく痛めてしまった名残なのか、成人男性とは思えないほど高音域を発するため、電話だと特に女性に間違えられるなんてこともしょっちゅうだ。
でも、この声だからこそ手に入れたものもある。
時の経過とともに受け入れらるようになったこの声を貶されたのは、想像以上にショックだった。
「あれ、武蔵君?」
武蔵君は立ち止まり――彼らに向き直って言った。
「き、き、君たちの下品な嗤い声の方が、はるかにキモいよ! これ以上エディ君を馬鹿にするな! ひ……人の傷みも解らないような外道は、と、友達でも何でもない! い、い……陰キャだからなんだ! その陰キャがいなきゃ……自分を引き立たせることもできない程度のポンコツ野郎のくせに……! 」
僕は幼少期、かなりの虚弱体質だった。先天的な心臓の病の他、呼吸器系も弱く、喘息を繰り返していた。そして中学生の頃、変声期の過程で風邪をこじらせて喘息を引き起こし、喉をひどく痛めてしまった名残なのか、成人男性とは思えないほど高音域を発するため、電話だと特に女性に間違えられるなんてこともしょっちゅうだ。
でも、この声だからこそ手に入れたものもある。
時の経過とともに受け入れらるようになったこの声を貶されたのは、想像以上にショックだった。
「あれ、武蔵君?」
武蔵君は立ち止まり――彼らに向き直って言った。
「き、き、君たちの下品な嗤い声の方が、はるかにキモいよ! これ以上エディ君を馬鹿にするな! ひ……人の傷みも解らないような外道は、と、友達でも何でもない! い、い……陰キャだからなんだ! その陰キャがいなきゃ……自分を引き立たせることもできない程度のポンコツ野郎のくせに……! 」