「山本君、いい加減にしなよ」
 僕のこの一声で、室内はしんと静まり返った。
「はァ?」
 山本君が僕を睨み、女の子たちが怪訝そうな顔で僕を見ている。
 もう、構うもんか。
「君がどう楽しもうが勝手だけど、人をぞんざいに扱うような人とは箸を交えたくないよ」
「エディ君……」
「帰ろう、武蔵君」
 僕は立ち上がり、財布から五千円札を抜いてテーブルに置いた。
「君たちも、この彼の言動に何の疑問も抱かないの?」
 僕は武蔵君の手を引き、立ち上がった。
「か、神城……てめェ、空気読めよ! 何勝手に帰ろうとしてんだよォ! ふざけんなァ!」
 山本君が僕の足元を掴んだが、僕は構わず振り切った。