「専門学校に行くという選択肢はありませんでしたか?」
 ほら来た、この質問。

 私の向かって右側の、くっきりとした三角眉の男性面接官が私に訊く。
 面接官は容赦ない。こちらが緊張していようが、頭の中が真っ白けになろうが、お構いなしだ。それに、この質問の内容ときたら、いじわる極まりない……。

志望動機を、さらに深く追及する質問への回答は、練習の段階でもよく(つまづ)いていた。だから、正直すらすら答える自信がなかった。ああ、もう泣きそう。今までの練習がすべて水の泡になるかもしれないというこの不安を、どう払拭すればいいのだろう。
でも、ここまで来たらもう最後までやるしかない。