運良く数字的にも正解だった模様。一か八かのスリリングなこの感覚は、苦手な人には苦痛のようだ。
「春は求人も多いからっていう理由もあるけど、合格の基準は変わらない。春だろうが秋だろうが、実力のない人は落ちる。ただそれだけ」
僕はダメでもともと、的な思考だから、「合ってたらラッキー」ぐらいにしか思わない。寧ろ、この感覚に慣れていればいるほど、その問いの答えを導き出す勘が冴えわたるような気がするのは僕だけだろうか。
 この4月から2年生に進級した。国家試験対策の講義も増え、その中で小テスト形式で過去問を解く毎日が続く。実技では、シャンプーやカラーリング実習がメインになるため、手荒れは免れない。女の子だけでなく、男の僕ですらハンドクリームを持参しないと、(あかぎれ)だらけの痛々しい手で実習に臨まなければならない。しかも、これが地味に痛い。