「厳密に言えば、あの子たちが『お花元気ないからお薬あげた方がいいよ』って言ったから肥料撒こうって話になったの」
「で、それを撒いたら除草剤だったと」
「そうそう、そんな感じ」
 そんな感じに軽く言われると、余計に悲しいんですけど。
「ごめんねぇ。これ言ったら絶対若葉泣くだろうと思って、今まで封印してたの」
「言われなくても泣いたわ」
 今も泣きたいくらいだ……。
「ん~、この際だから白状しとく。もう何年も前だし時効ってことで(かた)してもらえるとありがたいなぁ、なんて」
 時効って……。
「あの、私はできれば知りたくなかったんだけど」
 沸々(ふつふつ)と沸き上がる悲しみが、(いか)りの感情をも刺激する。
 当時は幼いながらその悲しみに区切りをつけたつもりでいたけど、真実が真実なだけあって……私は感情的にならずにはいられなかった。
「ごめん、嘘はあたしに似合わないじゃん。だから」