私は扉を閉めると、面接官の正面に置かれた椅子の横に立つ。
大曽根(おおぞね)市立、芹山(せりやま)高等学校園芸科、3年の……山口(やまぐち)若葉(わかば)です。よろしくお願いいたします」
 一礼をし、面接官の口元に視線を向ける。
(ああ、緊張する……)
「どうぞ、おかけください」
「はい、失礼します」
 目の前には、3人の面接官。中央に座っているサーモンピンク色のスーツを着た女性の面接官が口を開いた。