「いいなあ。若葉、花とかいろんな植物育てるの超うまいもんね。あたし、小学校時代からそういうの枯らせる常習犯だったから」
「あれ、そうだっけ?」
「うん。知らない?」
「何が?」
「3年生か4年生の頃にさ、学級花壇のパンジーに肥料やろうとして除草剤撒いて枯らせた事件」
「え、あれ梨歩なの!?」
「うん」
 知られざる真実。
「私、低学年の子たちがやったのかと思ってた……」
 これは――知らないままの方が幸せだったかもしれない。今更冗談だと言われても、そうであってほしいと思う反面、そんなはずはないと思って受け入れることすら難しくなる。
「……」