私は持参した袋の中から、ガーベラのミニブーケを取り出した。
「わ、可愛い!」
梨歩はブーケを私の手からさっと奪い取る。
「ちょっ、サルじゃあるまいし……」
「え、何ー? 聞こえなーい。てか、これ本当に綺麗な色。見てるだけで元気になれそうなビタミンカラーね」
「梨歩、オレンジ好きでしょ?」
「さっすが若葉。よーくわかってらっしゃる!」
「当然」
私は花瓶を持ち、「ちょっと水入れてくる」と言って病室を出た。
廊下に出ると、突き当たりの小窓から、あのガーベラと同じ鮮やかなオレンジ色の陽光が差し込んでいた。
「もうこんな時間か……」
家を出てから約1時間。なかなか濃い時間だった。今日は厄日だろうか。それとも……。
「わ、可愛い!」
梨歩はブーケを私の手からさっと奪い取る。
「ちょっ、サルじゃあるまいし……」
「え、何ー? 聞こえなーい。てか、これ本当に綺麗な色。見てるだけで元気になれそうなビタミンカラーね」
「梨歩、オレンジ好きでしょ?」
「さっすが若葉。よーくわかってらっしゃる!」
「当然」
私は花瓶を持ち、「ちょっと水入れてくる」と言って病室を出た。
廊下に出ると、突き当たりの小窓から、あのガーベラと同じ鮮やかなオレンジ色の陽光が差し込んでいた。
「もうこんな時間か……」
家を出てから約1時間。なかなか濃い時間だった。今日は厄日だろうか。それとも……。