406。
「あった!」
(倉庫の真向かいじゃないの。しかも、2……)
私は再度気を取り直す。本日何度目だろうか。
それはさておき。
桜ヶ丘梨歩。彼女の名前を確認し、私は病室の扉を開けた。
「こんにち――」
「あ、若葉!」
無邪気な笑みで私に向かって手を振る彼女。
「梨歩、遅くなってごめん」
「そうだよぉ、待ちくたびれちゃった。そうだ、若葉。高校卒業おめでとう!」
「ありがとう。あ、これが例の卒アルで……」
私は手提げ袋から卒業アルバムを取り出し梨歩に差し出す。
「わ、見たい見たい!」
梨歩はアルバムを手に取ると、すぐさまケースから出しそれを開く。
「あった!」
(倉庫の真向かいじゃないの。しかも、2……)
私は再度気を取り直す。本日何度目だろうか。
それはさておき。
桜ヶ丘梨歩。彼女の名前を確認し、私は病室の扉を開けた。
「こんにち――」
「あ、若葉!」
無邪気な笑みで私に向かって手を振る彼女。
「梨歩、遅くなってごめん」
「そうだよぉ、待ちくたびれちゃった。そうだ、若葉。高校卒業おめでとう!」
「ありがとう。あ、これが例の卒アルで……」
私は手提げ袋から卒業アルバムを取り出し梨歩に差し出す。
「わ、見たい見たい!」
梨歩はアルバムを手に取ると、すぐさまケースから出しそれを開く。