「その前に、聞かせてもらおうかな」
エディはベッドに腰掛けながらあたしに言った。
「何があった?」
「え?」
「理由なく僕らを追い返すなんて、通常ありえないでしょ」
「だ、だからそれは……ごめんって」
核心に迫ろうとしてくるエディに、ちょっと恐怖を覚えた。
そういえば、あたしこういうの苦手だ。

「えっと……時系列じゃなくてもいい?」
「いいよ、期待していないから」
「なんかムカつくな」
「それはお互い様だよね」
「うっ…」

エディって、こんなに刺々しかったっけ?

無垢な頃のエディの記憶しかないから、ギャップがすごくて思考が追いつかない。

でも、洞察はすごい。
見透かされてるみたいで、もうごまかしが効かないんだろうなって気になってきた。

全部話してしまおうか。

でも、それでスッキリするのはあたしだけだよね。

「……彼氏が、亡くなったの」

「え!」


やっぱり驚いてる。そりゃそうだよね。
唐突だったかな。

「梨歩、彼氏いたんだ」
「え、そこ?」