そうだ。
あたし、やんなきゃいけないことがあったんだ。

「……謝んなきゃ」

若葉。

いつもやりたい放題好き放題なあたしに、文句の一つも言わず付き合ってくれてた。

真面目で融通きかなくて、鈍くさくても直向きに努力を重ねて、やるといったら必ず最後までやり通す芯の強さがあって。

まるで凜とした花のよう。
小さい頃は、あたしが守ってあげなきゃ。支えてあげなきゃって思うくらい気弱で目立たない子だと思っていたのに。
いつの間にか、支えられていたのはあたしの方だって今になってようやく気づいた。

あたしは若葉を支えるなんて言いながら、心のどこかでマウントとってたんだ。

でも、それを認めたくなくて。
若葉はあたしがいないと何もできないって思い込んで。

かつてあたしが撒いた除草剤で花壇の花を枯らしたみたいに、若葉のことも……枯らそうとしたんだ。

悪気はなかったんだよって言い訳しながら。
あたしは知らず知らずのうちに、若葉を傷つけていたんだ。