いろんな感情が入り混じって眠れずにいたら、どこからともなく声が聞こえた。

 窓の外が光ってる?

 あたしはベッドから起き上がると、窓を開けた。
 ふわりと風が舞い込み、それに乗った小さな桜の花びらが一枚、ひらひらとあたしのベッドの上に着地。
「あ……」
 まだ咲いていたんだ。
 桜のピークはもうとうに過ぎているはずなのに。

 あたしはベッドに戻ると、今度はその花びらが光り始めた。
「え、何?」
 白い光が徐々に強くなって、あたしはその光に包まれる。
「――!」

――梨歩……

 懐かしい声。