信号が青に変わった。
私は速歩で横断歩道を渡り、駐車場の一角にそびえ立った大きな桜の樹の前を横切るように、病院のエントランスをくぐった。
待合室を抜け、売店を過ぎる。
「あ!」
私はその先にあったロビーの突き当たりに位置するエレベーターに向かって叫んだ。
「すみません、乗ります!」
一人分の空きスペースがあるくらいの狭い空間に、駆け込み乗車のごとく半ば強引に滑り込む。そんな私を恨めしそうに見ている、貫禄のあるオバサン。
(ちょっと、怖すぎでしょ……)
オバサンの視線が痛い。でも、私は気づかないふりをしてさりげなく「4」のボタンを押す。
扉が閉まった。
(うう……やっぱり階段で行けばよかった)
ごうん、と下から地盤を持ち上げる機械音が響く。
私は速歩で横断歩道を渡り、駐車場の一角にそびえ立った大きな桜の樹の前を横切るように、病院のエントランスをくぐった。
待合室を抜け、売店を過ぎる。
「あ!」
私はその先にあったロビーの突き当たりに位置するエレベーターに向かって叫んだ。
「すみません、乗ります!」
一人分の空きスペースがあるくらいの狭い空間に、駆け込み乗車のごとく半ば強引に滑り込む。そんな私を恨めしそうに見ている、貫禄のあるオバサン。
(ちょっと、怖すぎでしょ……)
オバサンの視線が痛い。でも、私は気づかないふりをしてさりげなく「4」のボタンを押す。
扉が閉まった。
(うう……やっぱり階段で行けばよかった)
ごうん、と下から地盤を持ち上げる機械音が響く。