でも。
 忘れ去りたい過去の記憶の一部であることは確かだ。古傷を抉られるようなこの不快感。もうこれ以上、見たくない。
『やめて……』
 あたしは、過去のあたしに背を向けた。辛すぎて、彼女をあやすこともできない。きっと、あたしの声も届かないだろう。

「あそびたいよぉ――!!」

『やめて! やめてよ!』

 聞きたくない。見たくない。昔の自分なんて、大嫌い。
 引き返そうと一歩踏み出す直前。