あたしは、誰かを元気づけ、勇気づけ、励まし続ける存在なのだ、と。そう言い聞かせながら、自身の脆さをひた隠した。

 でも、本当のあたしは。

「……びたいよぅ……」
 
『……?』
 遠くで、何かが聞こえた。
 小さな、子どもの声だろうか。
「あそびたいよう……」

(誰?)

 あたしは恐怖を押し殺して、声のする方へと向かう。

「……も、おともだちと、おそとで……あそびたいっ……」

 急に視界が白く染まった。
閃光弾か――と思うくらいの、先ほどまでとは打って変わって真っ白な空間。そこに映し出されたのは、病院のベッドの上で泣いている幼い女の子。しかし、その女の子は……