「ごめんなさい、お待たせして」
「うわッ」
「キャッ、ごめんなさいびっくりさせて!」
「い、いやいや。今のは僕が悪い……」
「え?」
「あ、ううん。何でもない。それじゃ行こうか」
「うん」
 車に戻ると、僕はエンジンをかけた。
「あ、若葉ちゃん。そこの袋にジュースあるんだけど、取ってもらっていい?」
「はい。どれにします?」
「アップルがいいな」
「はい」
「ありがとう」
 爽やかな酸味が口内に広がる。
「はぁ、生き返る。若葉ちゃんも飲んでいいからね」
「ありがとうございます」
 ああ、この違和感を払拭したい。