「終わらせない」
柔らかく、清らかな彼女の控えめな唇。
僅かに彼女の呼吸を感じた。小さく震える唇――息を止めているのだろうか。
僕はそっと、吐息で合図する。
僕に委ねて、と。
「――ッ」
ふわりと柔らかな感触が戻った。
彼女は、受け入れてくれた。
その優しさに、じんと来て、余計に愛おしくなって――もっと強く抱きしめた。
「エディ……さん……?」
「これからは、僕が君のそばにいるから」
水平線に消えゆく陽光。次第に紺碧に染まっていく空。
「僕じゃ頼りないかもしれないけど、君を悲しませるようなことは絶対にしないって約束する。だから……」
新たな時を刻む音が、高鳴る鼓動と重なり合って。