さっきよりもやや強めの風が通り過ぎた瞬間。
 僕は思わず彼女を抱きしめた。
「あっ――」と彼女がバランスを崩しそうに前のめりになる。
 ん?
 想像以上に柔らかな感触に、僕は一瞬身震いしてしまう。
「ご、ごめんなさい……」
 夕陽のオレンジが、紅潮した僕の頬の色をうまい具合にごまかしてくれているといいのだが。
(……意外と、グラマーだな)

 それはさておき。

「あ、あの……エディ、さん?」
 まずい、これ以上はもう。僕の身が保もちそうにない。
「ごめん、もう無理だ」
「え? 何――」
 彼女の言葉に重ねるように、僕は。