海がよく見える展望カフェでティータイム。テラス席から水平線に夕陽が沈む瞬間がロマンチックだと有名な絶景スポットのはずだったのだが。
 まさかの補強工事で仮囲いの足場が重なって、夕陽が見えない。こんなことってあるか。しかもよりによって今日はかなり期待値の高いデートにしたかったのに。

 こうなったら……
「外、散歩しない?」

 僕は彼女を外に連れ出すことにした。日没までの時間は限られている。
 最高のシチュエーションを想定してここまで来たからには、今日こそは何としてもばっちり決めたい。