「エディ~、8番テーブルのマダムレディーにケーキセットお願~い」
 ロゼさんだ。
 カウンターからメガホン使って声を張るのは恥ずかしいからやめてって言ってるのに。しかも、今めちゃくちゃいいところなのに。
「あの、何かごめんなさい。引き止めちゃったみたいで」
「いやいや、僕が勝手に話をしただけだから。じゃあ、ちょっと行ってくるね。ごゆっくり」
 僕はカウンターに戻って、ロゼさんからケーキセットを受け取った。
「ちょっと、エディ。あの子、エディの何なのさ」
「……何でもないよ」