「それもそうですね。私、入学して間もないので」
「え、じゃあ今1年生?」
「はい。先月高校を卒業しました」
「そうなんだ。てことは、今は18かな」
「はい。来月で19になります」
 思わぬ数々の収穫に、僕は仕事を忘れて彼女との会話に夢中になってしまった。
 もっと、話していたい。できることなら、プライベートでこうやって彼女と話したい。もしそれが実現できたなら、僕はどんなに幸せだろうか。
「そっか。じゃあ、僕の一つ下の学年になるんだね。僕は美山から芹山の専門学校まで電車通学してるんだけど――」