「せっかく運んだんだからさ。いいじゃん、そのままで。兄貴だって使うっしょ?」
ああ、一瞬隠しただけでもう隠す素振りも見せない。一応僕は男で、たとえ兄妹とはいえ目のやり場に困る。
 ものの……実はこれが初めてではなくて、正直だんだん慣れてきてしまっている自分が何だか哀しい。
 そして、虚しい。
「今度は真夏の水着特集があってさあ。まだ寒いのに、ビキニで海水浴びたりバナナボート乗ったりするんだわ。あと、変な肉ついてないかチェックしてたの。んで……」
「わかった、もういいから。とりあえず、出ていってくれないか」
「えー? まだ始めたばっかりなのに」
「知らないよ。はい。行った、行った」
 エリサを追い出した直後、僕はベッドの上に見慣れないものを見つけた。