※まず、ここに書いているのは『幸福な臆病者』に関する事です。
 読み終えている方対象を前提にしているので、ネタバレに関する事ばっかり書いてます。
 今更ながらあとがきを設置してみました。

簡単なキャラ紹介。

〇遠野知唐(享年30)
主人公だけれど普通に死んでいる。本人も死んだことを自覚していなかった。
3月1日生まれ。誕生花は杏。花言葉は「臆病な愛」「乙女のはにかみ」「疑い」「疑惑」
死んだ主人公って書いたこと無いなと思って(そりゃそうだ)、書いてみました。
性格は真面目なお人好し。他者から「良い人」「優しい人」って言われるタイプ。自分で自分を責める。器用ではない、寧ろ不器用。
友人は多くはないが、知り合いが多いので頼れる相手は多い。ただ本当に人を好きになれる事はあまり無い。学生時代はそんなに楽しくはなかった。
器用であり明らかに人に好かれる杏哉に、劣等感のような感情を抱いていた。それでもいい兄というポジションを崩したくない、という意地を持ち続けていた。それでも弟は嫌いになれないし愛しい存在である。
本好きで漫画も嗜む。基本的に何でも読む。本編内ではカフカとか太宰とか梨木とか読んでいた様子。死ぬ前でも多分太宰とか好きだろうな~そんな人。
〇遠野杏哉(29)
バツイチのお父さん。物語の重要人物。知唐の一歳下の弟。兄が死んで自分でも思った以上にショックを受けていた。
3月1日生まれ。誕生花は杏。花言葉は「臆病な愛」「乙女のはにかみ」「疑い」「疑惑」
兄弟ものが大好きなので、弟が兄を追いかける話にしたかった。
性格は基本的に楽観的で人たらし。顔も整っているので、第一印象を悪く思われる事はあまり無いし、本人もあまり経験していない。友人が多い。器用で大体はそつなくこなすけど、応用問題は苦手なタイプ。学生時代は楽しかった。
兄が自分を好いていないのではないか、という感覚を持ちながらもずっと接していた。その理由は、言われてないし聞く勇気も無かったので分からないまま。
文系科目大っ嫌い。本なんて絶対に読まない。頭痛くなるタイプ。
奥さんにはフラれるし、自分の誕生日に兄と喧嘩紛いをして兄は死ぬしで今回一番可哀想だった人。
〇遠野兄弟に関して
基本的に二人共外面(容姿抜きでも)が良いので、他人から好感的に見られる。優しいよね~が一番言われる言葉。二人揃って人たらしなところがある(厄介者を呼ぶこともある)
〇遠野苺音(6→7)
杏哉の娘であり知唐の姪っ子。本作のヒロイン的なポジション。
3月31日生まれ。誕生花は苺。花言葉は「尊重と愛情」「幸福な家庭」「先見の明」「あなたは私を喜ばせる」
小学1年の途中で不登校気味になる。叔父である知唐が初恋の相手であり大好きだった。初恋がお兄さんって甘酸っぱくて良いよね。
元々は人懐っこいタイプだが、母親の一件もあり、重いレッテルのような物をこの歳でもう持っていた。
因みに母親の家庭は本を読まないしあまり好きではないので、あまり苺音のことを理解しきれないところもあった。
3月31日生まれの学年で一番誕生日が遅く、他の子より小柄な設定。小柄な分、体格的な運動力量も負けがちになり、体育の成績があまり良くない。更に片親ということで、周囲の子からからかわれたりして、学校はあまり居心地のいい場所ではなかった。
〇弥生
知唐の案内人。元々案内人は、死人が現世で害ある事をしない様に見張る為のような仕事をしている。基本的には担当者の好きにさせる。
明るくて大らかな性格。良く笑い、楽観的でもあり、杏哉と似ている所がある。だからなのか、知唐も懐かしさを感じたりしていた。
基本的には知唐を否定しない。知唐が現世で何かをしでかさない限り、味方で居続ける。
弥生、という名前は担当者である知唐が三月生まれだからそこから引っ張ってきた。
多分普通に人間と言う立場だったら、知唐と親友てきなポジションにいたと思う。
〇管理人
弥生の上司。実は閻魔という裏設定があった。
仕事をできるだけサボりたいけれど、中々サボれない。記憶を無くす、縁の深い人を呼んでしまった、という稀な現象を起こした知唐に興味を持ち、会ったりなどちょっかいをかけたりした。
基本的には、ちょっかいは掛けるけど、最後まで面倒を見ないというひとでなし。
〇日向(享年8)
知唐より先に境界に滞在していた少年。死因は交通事故。
元々ケーキなど甘いものが好きで、ケーキ屋さんになりたかったけれど、周りにちょっと馬鹿にされたりしたこともあるので、表にはあまり出したことはない。
一人っ子だったので、お兄ちゃんなどに憧れていた。
因みに死ぬ前の記憶は残っている。まだ8歳なので、理解しきれてはいないが。
〇兄ちゃん
日向を担当していた案内人。日向の夢だったケーキ屋さんを手伝っていた(というか仕事は殆どやっていた)
察しの良いタイプなので、色々と汲み取ってくれたりする。なので、兄に憧れていた日向の兄的なポジションで居てあげた。兄ちゃん、と呼ばれたのは、実は少し嬉しかった。
日向が8月生まれのつもりなので、この人の名前は多分葉月。


 私自身ハッピーエンド厨なので、過去に書いた話は9割ハピエンなんですけど、偶にはハピエンとは一概には言えないような話を書きてえ~と思って書き始めました。
 兄弟とか普段はほのぼのな日常感とか、だけど見え隠れするシリアスとか、クソデカ感情とか。私の好きを詰め込みまくりましたね。書いててすっごい楽しかったです。

 最初は境界という異世界が舞台ではなくて、死んだ知唐が現世に留まってしまって、弥生はそんな彼の友人で彼の家に住み込んで一緒に暮らして、そこで杏哉がやってきて出会う……という内容だったんですけど、途中で頭を抱えて止めました。ていうか友人と弟に挟まれる知唐が可哀想で止めた。あと矛盾が凄い生じて止めた。異世界ってこういう時すっごい便利。。。
 あと、最初は知唐は偶然死じゃなくて自殺設定だった。思ったより杏哉に救いが無くなったので止めた。

 登場人物ほぼ全員が若者に括られる人達ばかりで、死と言う存在が本来は遠い非現実なはずなんですけど、突然訪れた非現実を受け入れられない人達。というのがちょっとしたコンセプトでした。
 本編の最後の苺音の手紙は、本当は書く予定じゃなかったんですけど、残された側とか第三者から様子とかも出しておこうかなと思って書きました。
 苺音の手紙の最後に出てきた相手。知唐の生まれ変わりかもしれないし、ただ似ているだけの赤の他人かもしれない。そんな曖昧な感じで終わらせてみました。最初はハッキリと生まれ変わりが出てくる予定だったけど、流石にしつこいわ思ってやめました。

 最初は主人公である知唐は作家設定だったんだけど、何も生かせてないから途中で辞めてただの本好きで終わらせました。
 元ネタは1万文字以内の短編で、よくここまで盛れたなと自分でもびっくりです。
 本当に、私は主人公が心を揺さぶられたり心が挫けそうになったり、切なくなったりするのを書くのが大っっっっ好きで!!!!今回の様に、人を選ぶような話を書くのが本当は大っっっっっ好きなので、個人的にはすっごい楽しんで書いたし、満足度が凄いです。えへへ楽しいなあ!

 それでは、長くなりましたがこの辺で。
 もしかしたら思い出したように加筆とかするかもしれない。

 幸福な臆病者達の話に付き合ってくれて、ありがとうございました!!