「音海さんの心、少しでも晴れたかな...」
ㅤあれから五ヶ月くらいの月日が流れ、季節はもう夏から秋、秋から冬へと変わった。
「音海さんというと、あの綺麗な人ですか?」
「そうだよ、友人の七瀬さんに手紙を送りに来た人だね。」
「まあ、元気にしてるんじゃないか?」
ㅤ今日は香織がお休みで、晴とそして何故か秀哉もいる。
仕事の方は...と聞くと、どうやらテレワークを導入している会社だから大丈夫らしい。
ㅤ──カランカランッ
ㅤ噂をすれば音海さんがやってきた。
以前はロングヘアだったのが、ショートヘアに変わっており、さっぱりしていた。
「音海さん、こんにちは!」
「こんにちは。本当はもう少し早くお伺いしたかったのですが、少し卒論で忙しくて...」
ㅤ全然大丈夫ですよ、と私は慌てて言葉を返した。
ㅤ久しぶりに会った音海さんはどうやら気が晴れたようでスッキリしていた。
「お世話になりました。お陰様で気持ちが軽くなりました。」
ㅤありがとうございました、そう言って音海さんは微笑んだ。
なんだか前より可愛くなっていますねと晴が私にコソッと話す。
「彼氏が出来たんじゃないかな?」
ㅤ私もそっと晴に言葉をかけると、音海さんはクスクスと柔らかく笑ったのだった。