税金に引っかかるとかじゃなくて、私はあまりにお金が多すぎる話をしているわけで……。

「あの、違うよ日野くん。額が多すぎる話をしていて……」

「大丈夫、ちゃんとそこは調整するから。安心して? ちゃんと五十嵐さんの両親が手間かからないようにするから」

 日野くんは私から封筒を受け取ると、ポケットから自分の財布を取り出して、何やら入れ替えをしはじめる。いくつか入れ替えた後、彼は私の方へ顔を向けた。