受け取った私のスマホの画面には、しっかりと日野くんのアドレスが登録されている。落としたら一大事だ。名前は日野珱介で登録されてしまっているし、スマホ、絶対に落とせない。パスワードは一応かけてるけど、絶対なくさないようにしなきゃ。

「はい、これ、明日の分のお金」

 ぼーっとスマホを眺めている私に、彼は封筒を差し出して来た。そうだ。お金返さなきゃ。

「日野くん、私お金持ってきたの、昨日貰ったお金、間違えてたみたいで一万円入ってて、それで……」

「別に間違ってないけど?」