食べ終えて空になったお弁当箱を包んでいると、私の手の上にひんやりとした手が重なった。顔を上げると真剣な顔で私の手に触れていた。

「ど、どうしたの?」

「明日もお昼一緒に食べていい? お試しの間だけでいいから」

「え、ひ、日野くんがいいなら、いいけど……」

 確か今週は、真木くんが何かの補習に引っかかっていて、芽依菜ちゃんはお昼のとき、付きっきりで勉強を教えている。赤点……というか、解答用紙をすべて間違えたらしいけど、念には念を入れるらしい。だから特に約束もない。