「俺、仕事で早退したり遅刻したりするでしょ? だからそーいう時の一時待機室ってことで鍵貰ってるんだよね」
確かに日野くんは授業の際、いたりいなかったりする。今日も三時間目の始めあたりに来て、クラスの女の子たちが嬉しそうに盛り上がっていた。でも、こういう場所があるのなら、どうして今までお昼ごはんの時に使わなかったんだろう? 不思議に思っている間に彼はいつの間にか椅子の向きを変えていて、一つの机を挟むような座席が出来上がっていた。
「ここ座って」
「あっごめんね、ありがとう」
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