「自分の分のお弁当は、ちゃんと持ってるみたいだね。ほら、俺穴場知ってるから、一緒に行こ」
「えっ」

 日野くんは私の手を取ったまま、すたすたと歩き始めた。こんなところ見られたら危ないのでは。周りを見渡すと特に周りに生徒もいなくて、でもこれから誰かがこっちに来ない保証もなくて、私は不安な気持ちで彼の後についていったのだった。