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 日野くんから一万円を受け取ってしまった次の日。私は彼の指定した昇降口近くのベンチに座り彼を待っていた。

 爛漫と咲いていた桜は散り足元には桃色の絨毯が広がっているけれど、その分木々は物寂しい様子になっていて景色を愉しむ生徒はいない為か、昇降口も人はまばらでしんとしている。

 静寂が少しだけ心もとない気持ちがするけど、日野くんと待ち合わせをしているのだから良かったかもしれない。お弁当を渡すところを見られて変な噂になったら大変だし。