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「ご、ごめん瑞香ちゃん、私真木くんのところ行ってもいい……?」

 昼休憩が終わり調理実習が始まった。調理台を前に材料の確認をしていると、同じ班の芽依菜ちゃんが顔を青くしながら隣の班と私を交互に見る。

 彼女に倣うようにして隣の班に視線を向けるとやはりというべきか、そこでは彼女の幼馴染の真木くんの姿があった。

 やや長めの黒髪を揺らしながら包丁を洗う彼は、刃物側を指で摘んでいて本当に危なっかしい。手を切っていないのが奇跡だと思うほどだ。見ているだけでお腹の奥が浮いたような落ち着かない気持ちになる。

「勿論だよ! いってらっしゃい」

「ありがとう瑞香ちゃん……! 洗い物は絶対にするから、そのままにしておいて……!」