散らばったプリントを手渡すと、日野くんが分厚いプリントの束の他に今日回収されたノートを持っているのが視界に入った。

 どうして誰かに手伝ってもらわないんだろう。日野君が行動を起こすたび、周りの女の子は彼の為に動くのに。廊下を見ても、私と彼以外いない。

「ノート運ぶの、手伝おうか……?」

 あまり積極的に関わりたいとは思わないけど、どう見ても一人で運ぶ量ではない。恐る恐る問いかけると、彼は「いいの?」と気遣う目で私を見た。