今日もそれは同じだ。至近距離にいる日野くんについて感動を覚えない。

 見つめられて落ちない人間はいないなんて前に美耶ちゃんは言っていたけど、そこまで来たらホラーな気がする。そんなことを考えていると、同じものを拾い上げようとしたのか、彼の手と私の手がぶつかった。

 彼はプリントごと私の手を握っている。

「えっと……」