「瑞香ちゃん、学食行こう!」
「うん」

 八百屋さんに行った翌日。お昼休憩の時間に自分の席で鞄からお弁当を取り出していると、同じクラスの芽依菜《めいな》ちゃんがやってきて、私はお弁当を持って彼女と一緒に廊下へ出た。

「今日は窓際座れるといいね! 天気もいいし!」

 そう言って歩く芽依菜ちゃんに、私は頷く。二つに束ねた黒髪がしっかり者な印象を受ける彼女とは、入学者説明会をきっかけに友達になった。