「カレー!? 俺カレー大好きだよ。嬉しいなぁ」

「あと、お昼の煮物なんだけど、よく食べてくれるから多めに詰めておいたよ」

 日野くんにお弁当を差し出しながら椅子に座ると、返ってくると思っていた返事が全く返ってこない。

 なんだろう。普段なら何を煮たのかとか、矢継ぎ早に質問が飛んできてもおかしくないのに。

 日野くんの顔を見ると、彼はお弁当箱の蓋を開けたまま意外そうに私を見つめていた。

「あれ? 煮物好き……だよね? ごめん違ってた?」