日野くんはさっきまでの体調不良がすっかりなくなってしまったかのように、快活な笑みを浮かべはじめた。彼が元気になって嬉しい。だけどこの、何となく不安感が拭えないのは何故だろう……。 「じゃあ、早速だけど五十嵐さんのお弁当、食べていいかな」 「うっ、うん、勿論。どうぞ」 日野くんはお弁当の包みを開いて、手を合わせた。私も包みを開いて、彼と同じように手を合わせる。 「いただきます」