「いや、日野くんの負担が大きすぎるよ。それにお金なんて……」
「俺は今のほうが負担だよ。申し訳なくて五十嵐さんに顔向けできないよ」
きっぱりと言われ、胸が掴まれたような緊迫した気持ちになった。今の状態が日野くんの負担……? でも生活費まで出し始めたらそれこそ彼の負担になるのでは……。彼の様子を伺うと、今度は何故かしょんぼりした様子で私を見つめていた。こちらをおそるおそるうかがう目に、何が正解か頭の中が曖昧になっていく。
「駄目かな? 五十嵐さん」
「駄目……駄目とかじゃなくて……日野くんが私に払うお金が少ない方がいいよ、私は」