日野くんは昼の一食――要するに私の作ったものはどうやら食べられるみたいだ。それなら、私が彼の夕食を作ればいい。そうすればきっと、彼は辛い思いをせずに済む。

 私は日野くんの食べるところが好きだ。でもそれ以上に彼のことが心配だ。このまま彼が苦しんでいるのを黙って見ていることだけは絶対に嫌だ。

「でも、五十嵐さんに負担じゃ……」

「放課後の予定は全然入ってないから大丈夫だよ。部活も入ってないし。それに私の夕食とかと一緒に作るだけだから」

 日野くんに笑いかけると、彼は申し訳なさそうな顔をしてまた俯いた。辛いのか、心なしか肩が震えている。