「と、撮るって、盗撮ってこと?」

「ん。……相手おじさんであんま警戒してなかった俺も悪いんだけど、娘に見せてたらしくて、俺が私服でいるとことか……で、娘がネットの裏アカとかで色々流してたらしくて……」

 そう話す日野くんは、言葉を紡ぐことすら辛そうで、私はどう答えていいかわからなくなった。

 彼を取り囲むのは基本同い年の女の子たちだ。だから警戒するのもそのあたりだと思っていたけど、確かにファンの人の家族も彼に興味があるだろう。でも、毎日同世代の人たちに囲まれる中、自分より年齢が上の相手にそんな酷いことをされるなんて思い辛いし、思いたくない。