こちらに近付いて来た日野くんに声をかけようとすると彼はふらつき体勢を崩す。慌てて駆け寄った私は、彼の肩を支えた。

「あ、あー、ごめん。お腹空きすぎちゃって……はは」

 日野くんが弱々しく笑った。顔色も酷く悪い。心なしか呼吸も浅く、瞳もどこか虚ろに見える。熱がある感じでも寝不足でもなさそうで、より不安が強まった。

「大丈夫……じゃないよね……? 体調悪いよね、保健室行こう?」

「ああ、違う違う、風邪とかじゃない、本当に、空腹で……」